アイドルなんて好きになるんじゃなかった

村上さんと関ジャニ∞とすばるくん。のはずだった。どうでもいい独り言

とある服屋さんで店長をしていたお姉さんへ

身バレ覚悟ですが。

 


その服屋さんに初めて行ったのは、去年の夏のことだった。
勇気が出なくて買ったことの無かった小花柄のワンピース。

茶色の編みかごみたいなベルトが可愛くて、試着をして、気づいたら買ってしまっていた。
嬉しかった。

去年の夏はずっとそれを着ていた。

 

二回目は、10月の初めの頃。
すばるくんのファンミーティング(babu会 vol.0)にまさかの当選を果たしてしまった。
それはいいのだけれど、私は秋服というものをほとんど持ち合わせていない。

どうしようと悩みながら、仕事帰りに駅ビルに立ち寄った。

ワンピースを買ったお店が目に付いた。

店員さんの接客も丁寧だったし、相談に乗ってくれるかもしれない。
よっぽど不安げな顔をしながら入ってきたのか、すぐに店員さんが声をかけてくれた。


「なにかお探しですか?」と。


私は脳内で何度も考えていたセリフを口にした。


「赤い服が欲しいんです。でも、今の季節冬服がほとんどで、分厚いニットばかりで。明日は28度の予想なので、もう少し薄手のものがいいんです」

 

「赤い服」


と繰り返して、お姉さんは7分丈のピッタリした薄いニットを持ってきてくれた。

目の覚めるような赤色は、すばるくんに会うのにこれ以上無い色に思えた。
感動している間にスカートを二着持ってきてくれた。

またそのスカートもとてつもなくかわいい。
こんなかわいいスカート私が履いていいのかと思うほどだった。
結果、予算の二倍の金額を支払い、私はホクホクして家路に着いた。

 

 

それからしばらくしてもう少し秋が深まった頃に、買い物のついでにまたその服屋さんに行った。
チェックのスカートが可愛いなぁと思ってみていると、店員さんが近寄ってきた。

「いつもありがとうございます!」

お姉さんは確かにそう言った。すばるくんの時に服を選んでくれたお姉さんだった。

その後も、もっと寒くなっても、コロナの自粛期間が開けても、お店に行くといつもお姉さんがすぐに来てくれた。

そのお店で買った服を着ていくと、とても嬉しそうに、可愛いですね、と言ってくれた。

 

少しの間(と言っても私にとっては当たり前に空くくらいの期間)服屋さんに行かなかった。
別に避けていたわけでも金欠だった訳でもなく、忙しかったことと服が必要ではなかった。
映画を仕事帰りに見ることになり、映画までの時間を潰そう、あわよくばかわいい冬服をゲットしよう。

そう思って服屋さんに行った。

 


全く知らない本屋がそこにはあった。

 

 

まさかと思ってお店の公式ホームページを見た。
店舗一覧のところから、名前が消えていた。

本屋はまだオープン前の準備段階で、それはつまり、ほんの一週間前に来ていたら、まだ服屋さんはあったかもしれないのだ。
色んな気持ちがぐるぐる回った。
お姉さんと会えなかった寂しさも、もっと積極的に買いに来ていれば閉店を防げたかもしれないという後悔も、悲しさも、虚しさも、やるせなさも。

あとから知ったことだが、母体のブランドが業績不振を理由に日本での業務規模を縮小しているらしい。
私の大好きな服屋さんも、その一環だったのだ。

都内に四店舗あった店舗は全て閉店していた。

ひと月かけて全店の住所を巡って知った。
なんならこのブログを書いている間に公式通販サイトからブランドの名称が消えていた。

もう、このブランドは無くなるのだろう。

 

 


あのお店で店長をしていたお姉さんへ。

 

お姉さん、お変わりないですか。

私はそろそろ冬服が欲しくてたまりません。
今はダイエット中で買い物を我慢していますが、目標体重まで落とせたらあなたのお店の新作を買いたいのです。着たいのです。

お姉さんのおかげで、私はスカートを履くようになりました。
服にお金をかけることが楽しいと、素敵だと思えるようになりました。
今度好きな人とデートするんです。服を選んでくれませんか。
私の漠然としたイメージから、いつも最適解を導いてくれるあなたがいないと、服選びがとても難しいんです。新しい服がなかなか買えません。

 

Fabulous Angela 錦糸町PARCO店の店長をしていたお姉さんへ。

 

閉店する前に一度お会いしたかった。
この感謝をあなたに直接伝えたかった。

 

お店に行くといつも笑顔で迎えてくれるあなたが大好きです。
どこかでまた素敵なお洋服を販売されていることを願っています。

 

かえで